レトロな歴史建造物 旧居留地をめぐる


異人館に代表される西洋文化の影響をうけて発展した神戸。
市内には明治から大正、昭和初期にかけて建てられた歴史的建造物が多数現存しています。
今回はその神戸の旧居留地区のおすすめレトロ建築を中心に歩いてみました。

 レトロな歴史建造物をめぐる 旧居留地周辺
モデルコース  

旧居留地周辺の散策のモデルコースを紹介します。モデルコース散策はゆっくり歩いても2時間ほど。
西洋文化の影響から、カフェ文化が発展した神戸。カフェで休憩しながらのんびり歩いてみては?
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旧居留地の建造物
 

旧居留地38番館

 

ウィリアム・ヴォーリズ設計で、1929年(昭和4年)ナショナルシティバンク神戸支店として建設されたアメリカン・ルネッサンス様式の重厚な造りのビル。隣接の大丸神戸店とともに、クラシカルな外観で統一された街区を形成。 地下1階、地上3階建て。大変美しいと評判の夜間のライトアップは22時まで。

 

神戸市立博物館

 

1935年(昭和10年)横浜正金銀行神戸支店として竣工。外装は御影石で、正面には6本のドリス式半円柱、他の壁面は壁柱を並べた古典主義様式の建築。 旧三菱銀行本店や丸ビル旧館などを手がけた建築家・桜井小太郎最後の作品として名高く、国の登録有形文化財に登録されている。

 

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旧居留地15番館(旧アメリカ合衆国領事館)

 

1880年(明治13年)竣工、旧居留地に唯一現存する旧居留地時代(1868年~1899年)の建築。現在は国の重要文化財に指定されている。2階の南面にベランダをもつコロニアルスタイルで、柱頭飾りのある柱列が印象的。 1995年の阪神・淡路大震災の際には全壊したが、元の建材を使って復元され、現在は神戸を代表するカフェレストランが営業されている。

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チャータードビル

 

ジェイ・ヒル・モーガンの設計で、チャータード銀行(Chartered Bank)神戸支店として1938年(昭和13年)に竣工。 正面外壁にはイオニア式列柱が配されている。内部は、装飾が施された折れ天井に、全面に大理石貼りがなされた広大な吹き抜け空間が配されているなど、英国の銀行らしい豪壮な造作になっている。

商船三井ビル

 

1922年(大正11年)、外観は1階部分がルスティカ仕上げの石積みで最上部に半円形のペディメントを有する意匠で、建物内部も欧米スタイルで統一され、天井が高く廊下が広い。 旧大阪商船神戸支店として竣工。旧居留地の南側を走る海岸通沿いに面して建つアメリカ・ルネッサンス様式のビル。著名な建築家渡辺節が設計し、当時欧米の建築を視察した際に学んだ技術を導入。大正期の大規模オフィスビルとして唯一現存する建物である。
 

 

シップ神戸海岸ビル

 

1918年(大正7年)、旧三井物産神戸支店として竣工。外観は、設計者・河合浩蔵の言うところの「現代式」なる、古典様式建築の細部を幾何学的な直線基調に簡略化した意匠が特徴。阪神・淡路大震災で全壊認定を受け、外壁を一旦撤去し、新しく再建された高層ビルの低層部に旧外壁を再構築した。この旧外壁は国の登録有形文化財に登録されている。

 

神戸税関旧館

 

現在の神戸税関旧館は三代目で、二代目の庁舎は1927年(昭和2年)に竣工、当時の大蔵省営繕課が設計。阪神・淡路大震災で半壊になったが、煉瓦張り・花崗岩張りの時計塔を含めた外観と内部ホール等は、ほぼ完全な形で保全された。

 

デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)
(旧神戸生糸検査所)

 

1927年(昭和2年)、旧館は神戸税関2代目本関とほぼ同時期に竣工。新館は1932年(昭和7年)竣工。旧館・新館の2棟から成り、旧館は垂直線を強調するチューダー・ゴシック様式、新館はネオ・ゴシック様式。 竣工当時は国の重要産物だった生糸の検査場として建築され、神戸港より輸出されました。現在は、デザイン・アートのクリエイティブスペースとして活気づいています。

 

※写真上が新館、下が旧館

ホテルクラウンパレス神戸周辺の建造物
 

旧ファミリアホール

 

1900年(明治33年)竣工のルネサンス様式石造地上3階建の近代建築で、曽禰達蔵の設計。 切石積みの外観、玄関部のアーチ、ガラス張りの高天井など銀行建築らしい重厚な意匠を残している。2007年11月30日に経済産業省の認定する近代化産業遺産に神戸港の近代化産業遺産群の一つとして認定。 旧三菱銀行神戸支店として使用されていたが、1977年より子供服メーカー「ファミリア」の所有となった。 2016年に大手不動産会社に売却され、今後は外観を一部復元・保存した上でタワーマンションが建設される予定。

 

神戸ハーバーランド煉瓦倉庫

 

1897年(明治30年)頃に竣工。横浜の赤レンガ倉庫や函館の煉瓦倉庫と同じく既存する稀少な煉瓦倉庫であり、イギリス製の煉瓦を使用し、イギリス積みで造られた外壁は、神戸港の発展を支えた建物として当時の姿を今に伝えています。

 

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番外編 -戦後の建造物-
 

高砂ビル

 

1949年(昭和24年)に、株式会社高砂商行の本社ビルとして竣工。 ビルオーナーの意向で、現在はセレクトショップ、写真スタジオ、ダンススタジオをはじめ、クリエイティブスペースとして人気です。映画「アウトレイジ」のロケ地として話題になりました。

 

高砂ビル 公式サイトはこちら>>

 

日本真珠会館

 

戦前には日本の真珠取引の約8割を担っていた神戸に、日本が世界の真珠取引の中心となることを目指す拠点として建設。1990年代になるとモダニズム建築の秀作として高く評価されるようになり、近代化産業遺産および国の登録有形文化財に登録、DOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築などにも定められている。 2008年より1階ロビーに「神戸パールミュージアム」がオープン。

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年代順歴史的建造物一覧  マップでみる▼

建物名 竣工年 設計者
旧居留地15番館(旧アメリカ合衆国領事館) 1880年(明治13年) ---
神戸ハーバーランド煉瓦倉庫(旧東京倉庫) 1897年(明治30年) 不詳
旧ファミリアホール(旧三菱銀行神戸支店) 1900年(明治33年) 曽禰達蔵
シップ海岸ビル(旧三井物産神戸支店) 1918年(大正7年) 河合浩蔵
商船三井ビル(旧大阪商船神戸支店) 1922年(大正11年) 渡辺節
神戸税関 1927年(昭和2年) 大蔵省営繕課
デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)
(旧神戸生糸検査所)
1927年(昭和2年) 新館:清水栄二
旧館:置塩章
旧居留地38番館
(旧ナショナルシティバンク神戸支店)
1929年(昭和4年) ウィリアム・ヴォーリズ
神戸市立博物館(旧横浜正金銀行神戸支店) 1935年(昭和10年) 桜井小太郎
チャータードビル(旧チャータード銀行神戸支店) 1938年(昭和13年) ジェイ・ヒル・モーガン
高砂ビル 1949年(昭和24年) ---
日本真珠会館 1952年(昭和27年) 光安義光
旧居留地の歴史

旧居留地の歴史

神戸外国人居留地は、1868年(明治元年)の開港から1899年(明治32年)に日本に返還されるまでの期間、外国人の居留地とされた区域。碁盤の目状の区画に整備され、貿易の拠点・西洋文化の入り口として栄えました。 返還された居留地(旧居留地)には大正から昭和初期にかけて日本の商社や銀行が多く進出し、ビジネス街として発展しました。
 

 

歴史的景観が評価され、現在の旧居留地の発展に

1980年代頃から、旧居留地内に残された近代洋風建築物や歴史的景観が再評価されるようになり、現在はビジネス街とショッピング街の顔をもち、平日・週末とも多くの人でにぎわっています。
1995年の阪神・淡路大震災では倒壊した建物もありましたが、現在は復旧し、昔ながらの街並みを保っています。
 

紹介した店舗 一覧

   

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