世界遺産
韮山反射炉
2015年7月5日、第39回ユネスコ世界遺産委員会において、『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業』が世界遺産として認められました。
「韮山反射炉」とは
「韮山反射炉」とは、静岡県伊豆の国市中字鳴滝入に現存している反射炉跡です。
日本で唯一稼働した反射炉として、1922年に国の史跡に指定され、2007年に近代化産業遺産に認定されました。
そして2015年には「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として世界遺産に正式登録されました。
韮山反射炉の歴史
江戸時代末期に欧米諸国の脅威から日本をを守るため、韮山代官「江川英龍」は国防政策の一つとして鉄砲を鋳造するために必要な反射炉の築造を建議しました。そして、1853年の黒船来航を機に、江戸幕府直営の反射炉として築造が決定されました。
当時、蘭学に通じた韮山代官の江川英龍は、幕府の命を受け1853年に伊豆下田にて築造を開始します。しかし翌年に下田に入港したペリー艦隊の水兵が反射炉建設地内に進入するという事件が起こり、急きょ築造場所が伊豆韮山に変更となりました。
反射炉築造から2年後の1855年1月16日に、江川英龍は韮山反射炉の完成を待たずして病死してしまいます。
跡を継いだ息子の江川英敏が佐賀藩の技術者11名の技術協力を得て、1857年11月に韮山反射炉は着工から3年半の月日をかけ無事完成しました。
そして、1857年から1864年までの7年間、韮山反射炉では、鉄製カノン砲や青銅製野砲などの西洋式大砲が多数鋳造されました。
- ガイド
- 無料で利用が可能です。
※現地での直接申し込み可能ですが、事前予約をおすすめ致します。
韮山反射炉ガイドの予約方法はこちら >>
江川英龍とは
-
-
「世直し江川大明神」と謳われた
江川家36代当主の江川英龍の家系は、
鎌倉時代以来の歴史を誇る名家です。
英龍は学問や剣術・芸術など、当時最高の教育を受けて育ちました。他にも蘭学・砲術などを学び、35歳で韮山代官職を継ぐと農地改良などを積極的に行い、領民から敬愛されました。また、日本で初めてパンを焼いた人物で「パン祖」と呼ばれています。
重要文化財 江川邸 (旧韮山代官所跡)
江川英龍の生家「江川邸」は、主屋・表門・書院・肥料蔵や文書類が国の重要文化財に指定されている代官屋敷です。
日本で初めてパンが焼かれた場所でもあります。
江戸時代から現存する江川邸は「JIN-仁-」「篤姫」「西郷どん」など、数多くの大河ドラマや歴史ドラマ、映画の撮影場所としても有名です。
江川邸を詳しく知りたい方は、邸内・主屋の案内をしてくれるガイドスタッフ(無料)が常駐してますので、江川邸の歴史に耳を傾けながら見学してみてはいかがでしょうか。